まえがき

「知るほどに 無知に気が付く 知識人」

 この読み物は、機械構造部材の強度評価法に関するものである。
主に、強度評価での基本的考え方と代表的に使われている技法を
概説する。
機械構造部材として、金属材料、特に鉄鋼を対象とした。

 具体的には以下に示すような内容を記すつもりだが、元よりこの
分野の全体像を詳細に説明する解説書ではない。

 ・ 強度と応力
 ・ 金属疲労
 ・ 高サイクル疲労強度
 ・ 低サイクル疲労強度
 ・ 強度評価法の柱と限界

 基本的に、どのような考えで、どのような技法が使われているかを
核に、 静的強度、疲労強度を中心に述べるつもりだ。
 専門分野の話なので固い内容になりがちだが、そうならないよう配慮
して、 コラム風な文体で書き記すことにした。

 記述する上で、どのような読者を想定したか、を示しておこう。
 こういう問題に興味がある人なら誰でもよい、と言いたいところだが、
一応、読者には最低限の知識が必要となる。脅すつもりはないが、
この分野の専門用語を何の説明・前触れもなく出している。
 大変恐縮だが、読者は当然それらを知っている、という前提で書かせて
頂いた。

 そういう訳で、読者として力学とくに材料力学の基礎を修得している方を
想定している。企業などの現場で強度問題に触れ、強度評価法の基本的
考え方を確認しておきたい人には最適かも知れない。

 きっと、この「まえがき」をお読みになっている方は、この分野の問題に
興味があり、知識欲も旺盛な人に違いない。
 冒頭の川柳のように、読者がこの読み物を通して強度評価について何の
知識が足りないかを認識し、そして、それを補う足がかりになれば、この読み
物を書いた狙いは適った、と考えている。

 まあ、取り敢えず、読み始めてみて下さい。

2016年 6月
ファンクションベイ株式会社
技術顧問 堀内 滋